今日はクイズのつもりじゃなかったんだけど、「植木鉢から生えているキノコを食べていいか?」って質問がきて、ネットで食べている人がいるという。これはキノコについてやったほうがいいんじゃないだろうか?と急遽考えました。
第一問 軽いジャブで、
ヒント ひっかけ問題ではないです。
こたえ
左がキノコです。右はゆでたまご。
キタマゴタケというキノコで、幼い時は卵に似てます。これが開くと、傘の下につば、根元につぼが見られます。この傘、つば、つぼの3つがそろっているキノコはテングタケ科で、毒キノコが多いです。キタマゴタケは食べられますが、猛毒菌のタマゴタケモドキと似ているので、手を出さない方がいいと思います。
第二問
傘、つば、つぼの3つそろっているキノコ3つあります。この中で一つ食べられるキノコがあります。なんでしょう?
ヒント 全部たぶんおいしいです。
こたえは
②のタマゴタケです。
キノコ名が載っているので、うすうす分かった人もいるでしょう。
①のベニテングタケは毒キノコで有名ですが、これを食べて死んだ人は実はいません。幻覚キノコなので、これを食べて飛べると思って落下して死んだ人はいるんだそうです。怖いですね。知り合いのキノコの先生は「食べたら後が大変だから食べない方がいい」と言ってました。今は麻薬取締法で所持していてもダメなんでしたっけ?
シラカバなどと共生しているので、シラカバなどの木が無いと出てこないキノコです。
②のタマゴタケはベニテングタケと似ていますが、ベニテングが白い柄と白いひだ(傘のうら)なのに対して、タマゴタケは柄が黄色とオレンジのだんだら模様で、ひだも黄色です。よく観察することが重要です。わかれば間違えそうにないキノコなのでこれは安全だと思いますが、家族は食べません。
③のドクツルタケは「死の天使」と呼ばれる猛毒菌です。食べたら死んじゃいます。少量もやばいです。人間にとって毒ですが、木と共生している菌根菌なんで、大事です。
ベニテングと共にオーストラリアに帰化してしまって、困られています。ヨーロッパの植物をオーストラリアに持ち込み、種で育たない!と苗木を持ち込んで増えたらしい。菌根菌だから植物とセットなんですわ。
ネットで「庭のキノコを食べてみた。うまかった!」というのを読んだのですが、うまいから毒じゃないとは限りません。というか、うまいから中毒しちゃうのが多いと思います。苦いニガクリタケも調理したら苦くなくなったりしますし、猛毒菌の多いテングタケ科はうまいらしいです。
では第三問
ヒント 生だと毒というキノコは結構あります。煮ても焼いても毒というキノコはどれでしょう?
こたえ
①のクサウラベニタケが毒キノコです。
あえて、個性的なキノコを並べてみました。
こういう地味なキノコが一番危険。カキシメジ、ツキヨタケ、クサウラベニタケが中毒例が多いのは、地味だからです。派手なキノコや、変わった形のキノコは警戒するけど、地味なのはおいしそうってなりがちです。でも地味キノコほど警戒が必要です。
①クサウラベニタケは、食べられるウラベニホテイシメジと似ているので、間違えられるというのもあります。ウラベニホテイシメジは傘上の指でおしたような痕があります。↓
②はスッポンタケで、白い柄の部分が食べられます。卵の状態の幼菌を食べる人もいます。先端の黒い部分はめっちゃくさいです。私が若いころ、研究室にこのスッポンタケの卵を放置していたら伸びてきて、研究室がめっちゃ臭くなってひどく怒られました。
似たキヌガサタケも中華料理で使われてます。
③アミガサタケは春のキノコで、モリーユと呼ばれてフランス料理などに使われます。生では毒なので、生クリームなどで煮るとうまいです。味噌汁はあいません。
④のムラサキヤマドリタケは、傘の裏がスポンジのようなイグチの仲間です。図鑑ではうまいと書いてありましたが、あまりおいしくなかったです。
つぎは食べられるキノコの問題です
第4問
ヒント 栽培すると形はずいぶん変わります。
こたえ
③のエノキタケです。
野生のエノキタケは柄がめっちゃ硬いです。柄が木みたいだから、エノキタケだと私は思っていますが、あってますかね?エノキという木にも生えますが、エノキ以外にもいろいろ出ます。冬から春よく出ています。
第5問
つぎもこう見えて食べられるキノコなんですが、味がビーフとかチキンとか言われています。どっちがビーフで、どっちがチキンでしょう?
ヒント 味は個人的なものなので、気楽にお答えください。
こたえ
左カンゾウタケがビーフで、右マスタケがチキンの味だと言われています。
カンゾウタケは、切ると本当に霜降りの肉のようで、おいしいです。
マスタケは端の方を切りとって調理して食べます。少し酸味があるので、「鳥肉?」と思う人はいるかもしれません。
キノコはみんな危険だと思われるのも悲しいですが、知らずに食べるのは超危険です。キノコの先生は「キノコは全部食べられますよ。1回はね。」と言います。ということは2度目はないものもあるんです。キノコは名前だってついていないのがいっぱいあるし、まだ未知の世界なんです。
キノコの食毒は昔と変わってますので、新しい図鑑を使ってください。昔可食でも今は毒になっているものもあります。迷信も多いので、気をつけてください。私は単なるキノコマニアですが、教えられることがあったら、教えますので、無謀に食べちゃダメですよ―