街の木コレクション

樹木医が街で出会った木を紹介。木で遊び食べ楽しむブログ

巻き殺しの根+盛土は勘弁して

台風シーズンきちゃいましたね。

最近樹木医は危険な木がないかを調べる仕事が多いので、外れてたらやだなーと思います。

わかりやすく腐ってるとか、枯れてるとかならいいんですが、わかんないのがあるんですよねー

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👆こういう棒で、根元をずこずこ刺して、腐ってないか見るんですけど、

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一見腐ってなさそうなこの木も

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根元だけこんなに刺さっちゃったりして、こういうのは危険なので伐採してもらうことになります。木の上部はほとんど腐ってなさそうなので、見過ごしがちですが、まだわかりやすい場所が腐ってくれていて助かります。

 

わかんないのは深植えや盛土をされている木です。

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巻き殺しの根というのがあるんですが、自分で自分の根元を巻いてしまう状況で、植える場所が狭い場合などによく見られます。

 

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こんなことにもなって、巻き殺しの根は皮が挟まった部分が局部的に腐ることがあります。

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ただ、巻き殺しの根が見えている分には慌てることはなくて、土から出ていれば腐るのは緩やかだと思われます。

ただ、この巻き殺しの根が土に埋まっている場合は、腐るのが早いような気がします。これはあくまで私の観察からなんですが

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公園で倒れているこの木の根元を見ると

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巻き殺しの根の部分がぱっくり。割と細い木がいってます。

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このケヤキは太い方ですが、幹や枝はまったく腐っていないのに、根元をみると

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巻き殺しの根部分が腐ってます。

 

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街路樹なんかでは、土が固くて押さえられて折れるんだと言われていますが、私が見たのは柔らかい土の場所。

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この木も

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1mぐらい盛土されていて、1m下の根元が腐ってふがふがです。こんなの棒で刺しても届かないし、お手上げですよね。根張りの形がまったく残っていないので、これもまき殺しの根に1m盛土されたんじゃないかと怪しんでいます。決めつけは良くないんだけどね。

巻き殺しの根が見えてたら安心かと言えばそうでもなくて、

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👆の大きなシラカシは見えてる巻き殺しで折れました。

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直径1.5mぐらいですかね。他はほぼ腐ってなくて、本当に局部的に腐って倒れています。

かといって、巻き殺しの根の太いのを切ったら枯れることもあり、巻き殺しの根を埋めない事がすごく大事だと思います。巻き殺しの根と同様、グレーチングの食い込みなどをクレイ舗装するのもやばいかと・・・腐朽菌にとって良い保湿になりそう。あと、土の下で支える支柱というのがありますが、あれも食い込みが土の下だと要注意でだと思います。

 

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こういう根張りが見えていればいいんですけど、(土の下は掘ってみないとわかんないけど)

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こういうの不安です。以前ずこずこさしてたら、硬いキノコが出てきたこともありました。キノコが幹から出た後に土を盛られていたのです。工事ではよくあるんですよね。

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こういう盛土や深植えの木が「倒れたじゃないか!」と言われても、勘弁して下さいよーと言うしかないので、根元に土を盛ったり、植えるとき深植えにしないで欲しい。まじでおなしゃす。

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👆深植え