今日はオンラインで日本樹木医会の病害虫の情報交換会。私も定点写真を見せまくりました。いやー樹木医さんたちは定点写真👇を喜んでくれるのでうれしい限りです。
この講座、募集2日で定員になり、すごい。実際70人ぐらいの参加だったのかな。
各地からの報告が面白くて
青森の橋場真紀子さんのサクラの病害虫については、もう1000本2600本のサクラを管理している人なので、現場での経験値がすごい。質問されてもほぼ自分で試されていて、試してないことがない感じ!すごい人だなーと思いました。
こうやく病とか削っても結局また出てくるとか。根頭がんしゅ病も豆粒ぐらい小さいのからすべて切除してやるとがんばったけど、翌年確認すると出ている。削ったり切ったりはすっかりやめて樹勢回復を優先に労力を割こうと今はやっているそうです。むしろ根頭がんしゅは踏圧クッションになっているとか、朽ちた部分に根が入ってるとか、一緒に生きていく病気というのが現場の人の言葉。
アメリカシロヒトリの引っ越しを調べるために家で飼ってたら、家族に嫌がられたとか・・うーん勝手に親近感~
マメコガネの幼虫は、ソメイヨシノにはまったくいないらしく、なぜかカンザンとか(八重桜)に多いとか。でもマメコガネがいっぱいいたとしても、葉っぱに害が現れることはないそうです。
コスカシバのフェロモン誘引剤はあまり効果を感じなかったとか・・・コスカシバも最初は針金でさしたりやっていたけど、あまり減らず、樹勢に大きくかかわらないので、樹勢回復を優先して、特に何もしないとのこと。言い切れるのがかっちょいいなー
千葉県の鈴木弘行さんの「ソメイヨシノの花芽をガチで食べるカワラヒワ」も題名良かったですよねーたぶんこれで参加者が増えたと思います。
ウソが花芽を食べると言うのは有名ですが、オオカワラヒワが11月ぐらいから花芽を食べ始めて春に花が全く咲かないという写真を見ました。ウソもカワラヒワも花芽と葉芽を見分けて食べるようで、葉芽は食べないので樹勢は関係ないみたいですが、花がないと人間が困る。だいたい川沿いとか田んぼ近くサクラ並木の花芽を食べるようで、交通量が多いサクラは食われてないんですよね。
鳥って居つく初期の段階で「ここはいごこち悪い」と思ってもらうのが大事だそうで、居ついて1か月もたつと脅かしてももう移動してくれないそうです。
駅でムクドリが増えて困っているパターンも時間が立っちゃうともう何をやっても無理みたい。居ついた初期なら、ワシタカのはりぼて?も効果があるらしい。
フジの花もハトが食べるとか、いろいろ鳥は花を食べてるんですね。
静岡の塚本有紀さんの「フジの病害虫」もフジツボミタマバエが、葉についたら葉裏に穴があいて幼虫は土へダイブしているという衝撃の生態!えええーですよ。あと自宅でタマバエを飼っているのも勝手に親近感💛
フジのこぶ病についても1年ですごくたくさん出て、そのつど剪定しているらしいですが、結構剪定したハサミや根のこぶの上にのせた三脚・靴で、感染が広がるようです。こぶのそばを切ったときは、アルコールスプレーでハサミをふいているそうです。
フジが咲かないとよく言われるけど、フジは「水と日当たりで咲く」とさらっと。
これも現場の人の言葉ですね。
高知の藤本浩平さんの輪紋葉枯病および吸汁性害虫・・・題名が固いですけど、おもしろかったーとにかく写真が美しすぎる!クスベニヒラタカスミカメの幼虫が透明できれいで感動です。
👆これは成虫のクスベニヒラタカスミカメ クスノキにいる
輪紋葉枯病は感染防止で落ち葉の除去とかなかなかやってもらえないようですが、実際やって感染がとまるのを見せるとやってもらえるのだそうです。
結構、病気って強い薬で退治しないとと思いがちですが、手でとる(テデトール)、葉っぱを集めて燃えるごみの日に出す、だけで効果が上がると言うのも忘れてはいけないですね。
害虫駆除のために薬剤散布を張り切りすぎて、ハダニが大発生した事例もあるそうなので、気をつけましょう。
個人的には、リハーサルではアザミウマの害で真っ白になったスギ苗で、「あしたのジョー」って言ってたのが面白かったのですが、本番では時間が押しててなかったのが残念。あと、動画がすごくコアで、もちっとたくさん見たかったですね。
今回4回目で、毎回発表が面白いと思うのですが、今、病害虫検索システムが使えなくなっていて、次は果たしてあるのかな?交流会として続くといいのになと思いましたが、準備が大変なんですよねー
ご参加いただいた皆様、報告してくださった皆様、ガチでありがとうございました。