街の木コレクション

樹木医が街で出会った木を紹介。木で遊び食べ楽しむブログ

胎盤を食べた話

最近は、娘とよく話をする。

娘「私を産んだときさー。食べたんでしょ。あれ。なんだっけカニバリズムみたいな。」

私「あー胎盤ね。お兄ちゃんときも、あんたんときも食べたよ。むっちゃうまかった!」

娘「なんで食べたの?聞きたいんだけど」

 

そういえば、この話を周りにしてなかったことに気が付く。大学の探検部仲間ぐらいにしか話してない。やっぱりドン引きされちゃうもんね。一番のドン引きは旦那なんだけど。読者が減っちゃうかもしれないけど、決して気持ち悪い話でもなんでもないので、良かったら読んでほしいです。

 

なんで食べたかというとーー

かれこれ30年ぐらい前、大学出て環境教育学会の事務局とか、環境教育畑にいたんですよね。今の樹木医とはまったく畑違い。当時環境関係の人たちはクセのある人たちが多く、医療関係でもないおっさんが「最近の若い母親は胎盤が臭いらしい」と私に言うんですよ。たぶん食べ物が添加物たくさんだとか、薬品使っているだとかに反対で、オーガニックに暮らしてほしいという若い人への要望だったんだと思うけど、今で言うセクハラですよね。私は「出産が怖い」とその時思ったと同時に、「くさいのはおめーだろ」とも思ったものだ。

時はすぎ、結婚して妊娠したとき、一緒に仕事をしていた大学の先生に「岩谷さん、環境教育やってるなら、出産したときに胎盤食べたほうがいいよ!」とおすすめされた。先生の奥さんは中国の人で、「中国の人は普通出産したら胎盤を食べるんだよ。」といろいろ話してくれた。「うちの奥さんはハンバーグに入れて食べたよ」「おっぱいがいっぱい出るよ」「牛とか動物も出産後胎盤食べるでしょう。意味があるんだよ」とか、興味深い話だった。

そっか!あのいけ好かないおっさんが言ってた「胎盤臭い疑惑」も自分で食べてみたら確かめられるじゃん!と即行動。産婦人科の先生に「胎盤欲しいです。」と交渉し、驚かれたが、出産し退院するときにはちゃんと冷凍した胎盤をもらえた。以下マンガ↓

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娘「どうやって食べたの?」

私「結構肉厚な肉で、サイコロステーキみたいにして焼いて食べた。塩コショウして」

娘「塩コショウ!」

私「はじめレバーみたいな感じかと思っていたけど、全然違って、焼き鳥で売ってるカシラみたいで、めっちゃうまかった。あのおっさんに全然臭くないじゃん!って叫びたかったよ」

娘「それは、すかっとしたね」

私「でもその夜、おっぱいが張って痛くて大変になっちゃって、胎盤はおっぱいスイッチなんだって実感したんだよ。産んだ直後に食べれば、すぐにおっぱいが出て良いんだけど、すでにおっぱいがたくさん出てたからさ、さらにおっぱいを作っちゃって、それなのに君たちは小さくてたくさん飲めないから大変だったのよ。」

娘「よく食べたよね」

私「でも食べてそういうことを実感できて、なんか感動した。人も動物と一緒なんだーって。」

娘「はいはい」

 

ちなみに、ウイルスといえばインフルとかコロナとか病気ばかり取り上げられるが、いいウィルスもいるらしい。

ふつう妊娠したら、子どもは妊婦にとって異物だから、体は排出しようとするのに、それをしないのは胎盤にウィルスが感染しているかららしい。生命の神秘やねー